先週の6月9日(金)~6月11日(日)の週末は、お天気に恵まれたダイビング日和でした。
沖縄は梅雨に入っているのですが、まるで真夏のようなドピーカンの晴天で、風も南風。
伊江島の北側のドロップオフのダイビングを、満喫しました。

サンゴの産卵

この季節、沖縄ではサンゴの産卵があります。
ミドリイシ類のサンゴは夜に産卵を行い、幻想的な光景が観察できます。

伊江島のドロップオフ

伊江島の北側のドロップオフでは、ハナヤサイサンゴの仲間が見られます。

伊江島ドロップオフのハナヤサイサンゴ

伊江島ドロップオフのハナヤサイサンゴ


ドロップオフの壁の比較的浅い場所や、棚の上の水面下から水深10mあたりでは、ハナヤサイサンゴとそこで暮らす生物が観察できます。

ハナヤサイサンゴとカスリフサカサゴ

ハナヤサイサンゴとカスリフサカサゴ


写真のカスリフサカサゴは、ヘラジカハナヤサイサンゴなどで見ることができます。

イボハダハナヤサイサンゴの幼生放出

6月10日(土)、午前中のオホバでのダイビングは、昨日までとは打って変わって透明度が悪くなっていました。
なんとなく、白っぽくモヤっています。

ドロップオフの透明度が悪い(T.I.さん撮影)

ドロップオフの透明度が悪い(T.I.さん撮影)


よく見ると、イボハダハナヤサイサンゴ(学名:Pocillopora verrucosa)から、白いものが噴出しています。
幼生の放出です。

ハナヤサイサンゴから白いものが(T.I.さん撮影)

ハナヤサイサンゴから白いものが(T.I.さん撮影)


ハナヤサイサンゴの仲間は昼間に、卵ではなく幼生を放出します。
つまり、サンゴの中で卵子と精子を受精させ、「プラヌラ幼生」となったものを出産するのです。

プラヌラ幼生の放出

プラヌラ幼生の放出


プラヌラ幼生は着底して成長できる場所を探して着生し、ポリプへと変身して、サンゴに分裂・成長していきます。

この日は放出された幼生を、スズメダイたちがパクパクと食べていました。
こういった幼生や卵を食べに小魚が集まり、その小魚を食べるために大型魚が寄ってきます。
残った幼生が無事に数多く着生し、きれいなサンゴ礁を形成してくれるといいですね。

海の中では、興味深い様々な自然界の営みが行われています。
伊江島でぜひ、いろんな生物の生態を観察してみてくださいね。